概要
あおぞら銀行に導入した市場リスク管理システムは、先進的手法を含む広範なリスク計測手法に対応ができるのが特長です。シンプレクス独自の分散計算基盤により、トレーディング・バンキング業務における約100商品の横断的リスク管理を、従来よりも迅速かつ精緻に行えるようになりました。
導入背景
金融機関における市場リスク管理では、昨今の市場のボラティリティの高まりや、金融危機等のテール・リスク(確率は低いが、発生すると大きな損失を出すリスク)の顕在化を踏まえ、リスク計測手法の高度化が求められています。リスク管理態勢の充実に取り組んできたあおぞら銀行では、こうした動向に対応するとともに、より広範な商品のリスク管理を行うことを目的として、既存システムの刷新を決定しました。
得られた成果
先進的手法を含む広範なリスク計測手法に対応
金融機関におけるリスク管理では、市場リスクを統計的手法により測定した数値であるVaR(バリュー・アット・リスク)を用いることが一般的です。本案件ではVaRの計測において、フルバリュエーション方式を含むヒストリカル法はもちろん、今後必要に応じて分散共分散法、モンテカルロ法等にも対応しています。また、VaRでは捕捉できないケースを想定し、シミュレーション分析を含むストレステストに加え、高感度分析や評価損益の算出を実現しました。
シンプレクス独自の分散計算基盤で高い計算パフォーマンスとリアルタイムモニタリングを実現
複雑化する市場で多岐にわたるリスクを迅速に捕捉するためには、膨大な数値計算能力を持つシステムが必要です。本案件では数十・数百単位のCPU(Central Processing Unit)を用いたシンプレクス独自の分散計算基盤により、リアルタイムでリスクを捕捉できることに加え、今後ポジション数が増大した場合にもハードウェアのスケールアウトにより対応が可能であり、追加投資の抑制にも寄与するアーキテクチャを採用しています。
トレーディング・バンキング業務における約100商品に対応/バーゼルにも対応
本システムの導入により、あおぞら銀行では、トレーディング・バンキング業務における約100商品の横断的リスク管理を、従来よりも迅速かつ精緻に行えるようになりました。また、VaRの計測だけに留まらず、2013 年から段階的に適用されているバーゼル(新自己資本規制)で求められる可能性のある期待ショートフォールについても、本システムにて試験計測を行っています。
お客様情報
- 所在地
- 東京都千代田区麹町6-1-1
- URL
- http://www.aozorabank.co.jp/